FireflyでのDirect SCF 法とConventional法による実行速度の比較

実行方法などについて

使用機種のCPU
Intel  Core2 Duo E8300  2.83GHz 2コア
実行方法
Windows XP 32ビット版のコマンドプロンプト
使用プログラム
PC Gamess/Firefly 7.1f
計算方法
HF 6-31Gd Single Point
使用データ
C1〜C12アルカン

計算時間の比較

  1. Direct SCF法及びConventional法による計算時間を表にまとめます。Conventional法による計算については3回の平均を取りました。

GAMESS計算時間

  1. 炭素数と計算時間の関係をグラフにプロットします。

グラフ

炭素数が増加し基底関数の数が増えるにつれ計算時間は増加するが、基底関数の数が200を超えてもConventional法による計算時間はDirect SCF法による場合のほぼ半分であり、ハードディスクのIO性能の向上に加えて、PC GAMESSでの2電子積分の値のディスクへの格納方法の改良が効果的に寄与していることが伺えます。

計算時間の比較

さらに炭素数を増やし基底関数の数を増やした場合について、炭素数と計算時間の関係をグラフにプロットした結果を示します。

GAMESS計算時間

基底関数の数がさらに増えるとConventional法による計算時間は急激に増加し、しかも実行する度に大きく異なるという奇妙な現象が見られました。

使用するディスクの条件を変えて検討した結果、この現象はディスクのIO速度が追いつかなくなるために発生するもので、スクラッチ領域用にアクセス速度の速いディスクを使用するかまたはコアごとに物理的に異なるディスクを指定することにより若干改善されることが分かりました。しかし、基底関数の数がさらに増すと、いずれにしろConventional法による計算時間が急激に増加することは避けられず、その場合はDirect SCF法を利用する必要があります。

注) ここで示した結果は、今回使用したデータ、計算方法および実行環境に依存するものです。従って、常に同様な結論が得られるということを主張するものではありません。

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