炭素数が増加し基底関数の数が増えるにつれ計算時間は増加するが、基底関数の数が200を超えてもConventional法による計算時間はDirect SCF法による場合のほぼ半分であり、ハードディスクのIO性能の向上に加えて、PC GAMESSでの2電子積分の値のディスクへの格納方法の改良が効果的に寄与していることが伺えます。
さらに炭素数を増やし基底関数の数を増やした場合について、炭素数と計算時間の関係をグラフにプロットした結果を示します。
基底関数の数がさらに増えるとConventional法による計算時間は急激に増加し、しかも実行する度に大きく異なるという奇妙な現象が見られました。
使用するディスクの条件を変えて検討した結果、この現象はディスクのIO速度が追いつかなくなるために発生するもので、スクラッチ領域用にアクセス速度の速いディスクを使用するかまたはコアごとに物理的に異なるディスクを指定することにより若干改善されることが分かりました。しかし、基底関数の数がさらに増すと、いずれにしろConventional法による計算時間が急激に増加することは避けられず、その場合はDirect SCF法を利用する必要があります。
注) ここで示した結果は、今回使用したデータ、計算方法および実行環境に依存するものです。従って、常に同様な結論が得られるということを主張するものではありません。