図形表示ライブラリ WinPlotG, PsPlotG によるgfortranでの作図

図形表示ライブラリは、 gfortranのプログラムから呼び出すことのできる図形表示のためのサブルーチンの集合体で、WinPlotGとPsPlotGの2種類が提供されています。

WinPlotGはPCの画面上のウィンドウに直接表示するためのライブラリで、画面表示後に印刷を選択することもできます。

PsPlotGはPostScript形式の図形ファイルを出力するためのライブラリです。 生成されたPostScriptファイルはPostScriptプリンタに出力でき、GSViewなどで画面表示したり、汎用のプリンタに出力することができます。

図形表示ライブラリの入手

図形表示ライブラリのファイルは、図形表示ライブラリのページからダウンロードすることができます。

64bit用ライブラリ(V8.1用)はgfortranのバージョン9.2や10.3にも対応しているようです。

マニュアルは図形出力の手引のページで閲覧することができます。

図形表示ライブラリの使用例

画面表示用ライブラリ WinPlotGの利用例  |   PSファイル作成用ライブラリ PSPlotGの利用例

画面表示用ライブラリ WinPlotGの利用例

図形出力の手引のページを参考にして、Fortranプログラムを作成します。

田辺・平山著「実践Fortran95プログラミング」 p.136のGnuplot用の例題を図形表示ライブラリ用に改変した例を示します。

program ex143_ps

  implicit none
  
  real, parameter :: PI =3.14159
  real :: t, r, x, y
  integer :: i

  call XINT('WIN=(600,600)')      ! プロットの開始宣言 画面表示
  call XVIEWP(-3.0, -3.0, 3.0, 3.0)    ! ビューポートの指定

  call AXIS2(-2.0, -2.0, 'x', -1, 4.0, 0.0, -2.0, 0.5, 1)    ! X軸
  call AXIS2(-2.0, -2.0, 'y', 1, 4.0, 90.0, -2.0, 0.5, 1)    ! Y軸
  call NLPPEN(4)    ! ペンの変更 破線
  call GRID(-2.0,-2.0,0.5,0.5,8,8)    ! 格子

  call CLRPEN(22)    ! ペンの変更 緑色
  
  call PLOT(1.7, 0.0, 3)    ! ペン・アップ移動
  
  do i=1, 100
	t = 2.0*PI/100*i
	r = 1.5*cos(3.0*t) + 0.2
	x = r*cos(t)
 	y = r*sin(t)
	call PLOT(x, y, 2)    ! ペン・ダウン移動
  end do
  
  call CLRPEN(32)    ! ペンの変更 青色

  call PLOT(-2.0, -2.0, 3)    ! ペン・アップ移動
  
  do i=1, 100
	x = -2.0 + 4.0/100.0*i
	y = x**3 - 3*x
	call PLOT(x, y, 2)    ! ペン・ダウン移動
  end do
  
  call XEND   ! プロットの終了宣言

end program ex143_ps

plotg_example_win.f90のダウンロード  (右クリック)

ビルド(コンパイル & リンク)

コマンド・プロンプトで、次のように入力します。

gfortran plotg_example_win.f90 -fno-range-check -L. -lWinPlot64 -o plotg_example_win

コンパイル・オプションについては、図形表示ライブラリの使用方法 の項の説明を参照してください。

プログラムの実行

plotg_example_win.exeのアイコンをダブル・クリックして実行します。

画面に作図結果が表示されます。

作図結果の表示

印刷する場合はPrintボタンをクリックします。Closeボタンをクリックするとウィンドウが閉じます。

作図結果の表示

PSファイル作成用ライブラリ PSPlotGの利用例

図形出力の手引のページを参考にして、Fortranプログラムを作成します。

XINTの行を画面表示用からPSファイル出力用に修正します。

  !  call XINT('WIN=(600,600)')      プロットの開始宣言 画面表示
  CALL XINT('FILE=PLOT01.PS')      ! プロットの開始宣言 用紙 A4横 ファイル名の指定

plotg_example_ps.f90のダウンロード  (右クリック)

ビルド(コンパイル & リンク)

コマンド・プロンプトで、次のように入力します。

gfortran plotg_example_ps.f90 -fno-range-check -L. -lPSPlot64 -o plotg_example_ps

プログラムの実行

plotg_example_ps.exeのアイコンをダブル・クリックして実行します。

PSファイル PLOT01.PS が作成されます。

PSファイルの表示

GSViewでPSファイルを開きます。

OrientationメニューからLandscapeを選んで表示方向を変更します。

PSファイルの表示