ビンの中のロウソクはなぜ消えたか?


  1. ビンの中の酸素が、全部なくなったから。 
  2. ビンの中の酸素の濃度が低くなったから。 
  3. ビンの中の酸素が、ぜんぶ二酸化炭素に変わったから。


 答えは1番と考えがちですが、正解は2番です。         (その他の考え方


 では、ビンの中に酸素があるのに、なぜロウソクは消えたのでしょうか?

 ビンの中でロウソクを燃やすと、酸素が消費されて酸素の濃度が低くなっていきます。

 酸素の濃度が低くなると、ロウの燃焼速度が遅くなるため、発熱量が小さくなります。
 そうすると、炎の温度を維持できなくなり、火が消えるのです。

 空気中でロウソクが燃えるには,12〜17%以上の酸素が必要だとされています。

 燃焼に必要な3つの条件のうち、どれか一つを取り去れば、火を消すことができます。
  1.  燃えるもの
  2.  充分なな空気(または酸素)の供給がある
  3.  発火点以上の高い温度


 この場合は、2番目の条件が成立しないことになります。


 ビンの中のロウソクが消えるのは、酸素が少なくなったためではなく、燃焼によって生成する二酸化炭素の量が増えたためであるという考え方も成り立たないわけではありません。

 しかし、この考え方は,二酸化炭素だけを入れた集気ビンに酸素を加えた場合でもロウソクは燃えることから否定されます。 二酸化炭素中でロウソクが燃えるには,25%以上の酸素が必要だとされています。



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