ガスコンロの炎の定着

 ガスコンロの火をよく見てみると、火炎がコンロの開口部に定着して燃えていることがわかります。

 なぜ定着して燃え続けることができるのでしょう?

 ガスコンロの火の燃焼は、燃料であるガスと燃焼に必要な空気が、あらかじめ混合されて混合気を作り、それを燃焼させている予混火炎です。

 予混火炎には伝播(でんぱ)という現象があります。つまり、混合気の中を火炎が伝わり進んでゆくのです。

 このとき、すでに燃焼して火炎となった部分と、これから燃焼する部分との間に境界面ができます。この境界面は火炎面とよばれます。火炎伝播とは、混合気の中をこの火炎面が進行していくことをいいます。

 


 ガスコンロの火炎は、混合気の流れと火炎の進行とが逆向きになってつり合い、火炎がコンロの開口部に定着しているのです。


  火炎面は幾何学的な面ではなく、薄いとはいえ、ある厚さをもっていて、その中で化学変化がおこなわれています。

  一方、拡散火炎では、化学反応の行われる領域がもっと広がっているので、火炎面というようなはっきりした境界面はできません。

    参考 アルコールの拡散火炎


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