ろうそくの炎の温度


 光は芯から少し離れたところから出ています。この光のない部分は溶けたパラフィンが気化しているところです。

 よく見ると、下の方の外側に青い炎が見えます。この青い光はかなり上までのびています。

 芯の斜め上の外側にある青い炎がろうそくの炎では一番温度が高く、約1400℃とされています。

 左の図は、熱電対を使って実際に測定した結果を示したものです。
 これによると、一番温度が高い部分は960℃でした。

 光のない部分の上方に弱い黄橙色の部分があります。その外側と上方に強く光っている部分があります。

(左の図は、兵庫教育大学化学教室卒業生の二宮弘子さんの卒業論文より引用させていただきました。)

 

<炎は芯からはなれてできる>

 まわりから入り込んできた空気と、ろうが融けてさらに気化したパラフィンの蒸気が適度に混合したところから炎ができます。

<なぜ1400℃より低いのか?>

 これは、上の図の外側の青い部分にあたるろうそくの最高温度の部分(1400℃と言われている)は層がとても薄いので、熱電対をこの部分に入れると同時に、その付近の温度が下がったためだと考えられます。

<弱い黄橙色の部分>

 この光は、パラフィンが分解して生じたすす(炭素粒)が熱せられて光っているのです。すすは、炭素の集合体と考えられますが、次の二つの場合にできます。

<強く光っている部分>

 ここは、酸素が充分に拡散してきて、パラフィン蒸気とすすが燃えているところです。
 光は黄色の勝った橙色ですが、これはすすの固体面から出る熱放射によるものです。



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